居宅介護支援事業所・ケアマネジャー様へ
はじめに
ご自宅で介護をされている方や、施設に入所されている方の介護を担当されている方へ。
「口腔ケア」については正しく行えていますでしょうか。口腔内の状態は、お一人おひとり違いがあり、上手くいっていない場合、時に口腔内の環境は想像以上に悪化してしまうことも少なくありません。ご自身の歯がある方も、入れ歯の方も、胃ろうをされている方も、口腔内の健康状態を良好に維持していくために、患者様へ適切なケアを継続していく必要性があります。
しかし、口腔内のケアの仕方はよくわからないといったケースが多いのも事実です。
口腔ケアに力を入れるべき背景について
日本人の死亡原因として、ガン、心疾患、脳血管疾患の3大疾患があり、4位は肺炎です。そして肺炎が原因の65歳以上の死亡率が97%近くにもなります。また、90歳以上になると、肺炎は死亡原因の2位となっています。特に高齢者の肺炎の場合は、誤嚥性の肺炎が多くなります。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)について
飲み込む動作のことを嚥下(えんげ)といいます。食べ物や飲み物は、嚥下によって食道を通過して胃に運ばれます。しかし食道と気管が隣り合わせにあることから、食べ物や飲み物が気管に入ってしまうことがあります。
通常、健康な人が誤嚥してしまった場合には、防御反応として、せき込んだりすることで、誤嚥してしまった食べ物や飲み物を気管から出そうとする反応が起きます。 また、抵抗力、免疫力があるため、細菌に打ち勝つことが出来るため、誤嚥によって健康を損なうことはまれといえます。
ところが、高齢の方や病気の方の場合で、嚥下機能の低下が起きていたりすると、誤嚥しやすくなり、さらにせき込むなどの防御反応もうまく機能せず、口腔内の細菌が肺に入ってしまい、免疫力の低下なども伴って、細菌に打ち勝つことが出来ず、誤嚥性の肺炎にかかるリスクが高くなるのです。
口腔ケアの重要性・必要性
日常の歯磨きや入れ歯の清掃・手入れなどを行っていない場合や不十分な場合、口の中で細菌が繁殖を続けています。
お口の中をきれいにすることで細菌を減らし、誤嚥性肺炎のリスクを低減させることができます。
嚥下機能評価の必要性
嚥下機能の衰えが起きてきたとしても、多くは可逆的であることが大きな特徴の一つです。早期に気づき、適切に対応することで、より健康な状態に近づけていくことが可能なのです。
口腔機能の低下の始まりとして、食べこぼしであったり、よくむせるようになったり、かめない食べ物が増えたり、口が乾燥するようになったりします。これらの症状も些細なものであるため、見逃しやすい特徴があります。さらに嚥下機能となると一層わかりにくくなります。
そこで、嚥下機能の検査をすることで、嚥下機能評価が行えますので、患者様の嚥下機能の状態にあわせた適切な対策がとれるようになります。嚥下機能に対する診断を出し、その診断に対して対策を講じていくのです。そのことで誤嚥性肺炎など予防することにつなげていくことも可能となります。患者様の嚥下機能の状態に合わせて、食べ物の固さや水分のとろみを調整したり、患者様に適した食事姿勢を決めたりといったことが、より適切にできるようになります。
当院では詳しい歯科医師による嚥下機能検査を行っています。しっかりとした嚥下機能検査を行い、嚥下機能の評価をし、診断結果に合わせて適切な対策や、摂食嚥下リハビリテーションを行うことが出来るようになります。嚥下機能検査に関して、まずはお問い合わせください。
介護をされている方のお力になることができます
- 利用者様の口腔内の状況をきちんと把握しておきたい
- 口腔ケアをしっかり行い誤嚥性肺炎を予防したい
- 治療ももちろんのこと、口腔内のメインテナンスを頼みたい
このようなケースも少なくないことと思います。しかし、正しい口腔ケアを行わなければ、誤嚥性肺炎などのリスクが高まりますし、食形態のレベルを落としてしまうリスクも上がってしまいます。
このようなことにならないために、またはリスクを少しでも低減させるためにも、歯科訪問診療をご利用ください。口腔に関する専門家である歯科医師がお伺いした上で、歯の治療や口腔ケアだけでなく、嚥下機能検査も行う事が可能です。またそれらのことはとても大切なことでもあり、さらに患者様だけでなく、介護をされている方のお力になれることでもあります。
介護職の方々は、口腔内のケア以外に、日々多くのお仕事があり、非常にご多忙な事と思います。そこで、歯科衛生士による口腔ケアを取り入れる事は非常にプラスになることであると考えます。口腔内という傷つけやすい部位は、是非、歯科訪問診療をご利用いただき、わたしたちにお任せ下さい。